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今日の司クンアンテナ 18




道明寺邸、夜7時。

「キャーッ!桜子、お久しぶりぃーっ!!」

大きな白い羽根飾りのついた帽子を頭に乗せ、上半身をきつく締め、スカートは逆にこれでもかという程にふわっと広がった、靴まで隠れる丈のクリームイエローのドレスに身を包んだ、18世紀貴婦人風?の大河原 滋が、桜子を見つけて早速、ハグしている。

「ちょっと、滋さん、苦しいですわ。それ以上力を入れられると、私、失神してしまいます。」

「あっ、ごめーん!てへ。桜子、ますます美しさに磨きがかかったんじゃない?滋ちゃん、もう、惚れちゃいそう!!」

滋の言葉の通り、濃い紫の総レースのミニワンピに、同色のジャケットを合わせ、足元はこれも同色のブーティと、髪には細いカチューシャをつけ、ゆるいウェーブのかかった髪を肩にふんわり垂らしている桜子はちょっと小悪魔的で、街を歩けば何人もの男性が振り返るだろうというのは、簡単に想像できる程、魅力的だった。

「お褒めの言葉は有難く受け取らせて頂きますわ。滋さんも、お可愛らしいですけど…正装というよりは、舞台衣装ですわね。でもお元気そうで何よりです。」

普段、愛想笑いはしても、なかなか本音を見せない桜子だが、今日は久しぶりに旧友に再会し、本当に嬉しそうに見える。

「お二人とも、とっても可愛らしいです。やっぱりお嬢様は違うな。私なんて、もう、このお邸に入るだけで緊張しちゃって。門番に止められたら何て言おうって、そればかり考えちゃって。」

メイドに案内されて、ついさっき部屋に入って来た松岡 優紀 は、キョロキョロと物珍しそうに、部屋を見渡している。
そう言う優紀も、淡い空色のフワフワした上下に、暖かそうなベレー帽、両手両足に、白いモコモコ飾りのついたブレスレットとハイヒール。全体的にお菓子のようなイメージで、とても可愛らしかった。

あくまで内輪の同窓会で、庶民的にという、司の強い希望により、道明寺邸で行われるにしては、とても質素にセッティングされた会場だった。
それでも、カーテンの陰ではさりげなくピアニストがピアノを奏でていたし、テーブルに並べられた銀器やふんだんに飾られた花、氷で冷やされているワインなど、庶民の優紀から見たら、目が飛び出る程の値段なのだろうという事は、さすがにわかった。

つくしと親友じゃなかったら、こんな大邸宅に招かれるなんて、一生無かっただろうな。

しみじみ思う、優紀だった。

「おっ、女性陣は牧野以外、みんな揃ったみたいだな。」

背後から声が聞こえ、優紀が振り返ると、男性陣で唯一、開始時刻の午後7時ちょうどに会場入りしていた、美作 あきらの姿があった。

「さっき、司の秘書から連絡があった。司の奴、結局急な仕事が入ったらしくて、9時頃になりそうだとさ。ま、アイツの場合、参加するってだけでも奇跡みたいなもんだから、仕方ないかもな。総二郎は、まもなく到着するらしいから、先に始めてようぜ。優紀ちゃん、何飲む?ワインでいい?」

「ちょっと美作さん。私達にも聞いて下さいよ。」

桜子と滋が、不満の声を上げる。

「オッ、三条、大河原、お前達もレディ扱いが希望か?これは失礼致しました、お嬢様方。お飲み物は何にいたしますか?」

おどけて、飲み物をサーブしようとしたあきらだが、サッと近寄って来た、道明寺邸のメイドによって、結局ワインボトルはやんわりとりあげられてしまい、残念そうな顔をした。

その時、入り口の大扉が開き、和服姿も凛々しい茶道の次期家元、総二郎が入って来た。

「よう。みんな元気か?三条、大河原、久しぶりだな。それから優紀ちゃんも。可愛らしくなってるところを見ると、彼氏でもできたのかな?」

もう、声をかけられただけで真っ赤になって俯いている優紀を知ってか知らずか、総二郎はいきなりトーク爆発だ。

「三条も、ますますヤらしい感じになってんな。ウブな男どもを散々たぶらかしてんだろ?オレもすっげー、ウブなんだよなぁ。きっとすぐコロッといっちまうから、ちょっとたぶらかしてみてくんね?」

この場にもし、つくしがいたら間違いなく「いい加減にしろこのエロ門ーー!!」とパンチの一発でも飛んでくる所だ。

しかし、桜子も大人しく引っ込んでいるようなタイプではない。ニッコリと悪魔の微笑みを浮かべると、

「あら。西門さんこそ、流石ですわ。和服姿が板についていて、私みたいな平凡な女から見たら、殿上人のよう。是非、お手合わせ願いたいですわ。」

と、のたまった。

見かねたあきらが、間に入った。

「はいはい。三条、総二郎。お前ら確かに、お似合いかも知れないんだが…その辺にしとけ。総二郎、優紀ちゃんが悲しそうな目で見てるぞ。それから大河原、司は無理だと思うが、恋愛体質になりたければ、三条を見習うんだな。」

「あーん、司に会いたいよー!つくしにも会いたいーー!!2人はまだなの?!っていうか、つくしは今日、来るの?つくしに会えないなら、あたし、もう家に帰ってDVD観るうぅー!」

滋は早くもワインが回っているのか、顔を赤くして叫んでいる。
冷静な桜子が、尋ねた。

「そう言えば、花沢さんも遅いですわね。今日は参加されるんですよね?」

おそらくメンバーの中で一番、情報通のあきらが、答えた。

「ああ。知らなかったか?司の奴、類に、牧野を迎えに行くように、頼んだんだよ。類の方も、最初から迎えに行くつもりだったらしい。奴の事だから、うまくやって牧野を連れて来るとは、思うが…。俺の勘だが、何か、怪しいんだよな。例えばの話だが、牧野が他の男と会ってたりしたら、さすがの類でも、そこから牧野をこっちに連れて来るのは、…難しいかも知れない。」

「何ですって?!」

「何だと!!」

驚いた声を上げた桜子だったが、背後から同時に上がった男の声に、ビクッ!として振り向いた。

「道明寺さん!」

「司!」

桜子の背後に立っていたのは、秘書の西田を従えて急ぎ、邸に戻って来た、司だった。


☆☆☆


お門違いなのは明らかだったが、何故かギリギリと、あきらを睨みつける司に変わって、後ろに立っていた秘書の西田が、前に出た。

「皆様、本日はお集まり頂き、ありがとうございます。ささやかな会ではございますが、どうぞゆっくり楽しまれて下さい。」

皆も西田と司に、挨拶を返した。

「あなたは確か、秘書の…西田さん?いつも、司のお守り、ご苦労様です。でも、牧野がここに来さえすれば、役割を引き継ぎできますね?」

あきらの言葉に、西田も頷いた。

「はい。私も一日でも早く、引き継ぎをしたく、牧野様を待ち受けているところです。しかし、肝心の牧野様が、何と言いますか、まだご準備が出来ていらっしゃらないようで。」

それまであきらを睨んでいただけだった司だが、話の流れを無視して、問いかけた。

「あきら、お前、牧野に男がいるって言うのか?!」

「いや、だから俺の勘だと言ってるだろ?類がすんなり牧野を連れて来れるなら、もうそろそろ着いてても良さそうだなと、思っただけだよ。司、お前今日類には、連絡取ったのか?」

「オレを何だと思ってる?少なくとも50回は、電話、メール、ライン、入れたな。しかし類、アイツ、全部無視しやがって!!チクショウ、後で会ったら一発殴ってやる。」

司はすでに(何に対してかはわからないが)戦闘モードだった。

「まあまあ、皆さん、せっかく久しぶりに会えたんだし、そうカリカリしなさんなって。」

司の肩に腕をかけ、宥めに入ったのは、今度は総二郎だった。

「司、こうして会うのは5年振りか?しかし、世の中には可愛い女がゴマンといるのに、お前は相変わらず牧野、牧野って。進歩ねぇよなぁ。でもそんなお前に会えて、嬉しいぜ。」

司は額にピキピキッと青筋を浮かばせている。

「西門さん。それ、フォローになってないですから。」

ドカッとソファに腰を下ろした司は、メイドに手渡された高級ワインを水のように、グイッと煽った。
そのまま、またグラスをチビチビ傾けながら、物思いに沈んでいる。
ワイングラスの中の血のような液体だけが、ライトを受けて、ゆらゆらと揺れていた。
その様子は一枚の絵のように、様になっていたが、皆の中にあってもなお、司は孤独感を消せないでいた。

友人達も、そんな司に、かける言葉が見つからなかった。

やがて。
どのくらい、そのままでいただろうか。
時刻はすでに、22時近くを指していた。
相変わらず類も、牧野も、現れる気配はない。

参加メンバーも皆、お腹も一杯になり、酔いも回り、喋り疲れて、そろそろ休みたくなって来ていた。

そんな中、あまり喋らず、グラスを傾けるだけだった司が、突然、すっくと立ち上がった。

「おっ、どうした司、眠くなったのか?」

問いかけた総二郎に視線を向け、一言、告げた。

「牧野を迎えに行く。」

そのままスタスタと歩き出すと、部屋を出る直前に振り返り、

「一時間以内に、必ず戻る。だからお前らは、ここで待っててくれ。」

と言い残すと、西田に車を出せと言いながら、部屋を出て行った。

「司…。行っちゃったね。どうする?」

残されたメンバーは、茫然としていたが、やがて滋がポツリと呟いた。

「やっぱりな。司は必ず行くと、思ってたぜ。」

総二郎が言うと、あきらも、

「だな。まだ行かないのかと、痺れを切らすところだったよ。さて、こんな面白い展開の結末を見逃すなんて、あり得ないだろ?司が牧野を連れて戻って来るのか、類は何してんのか、後でじっくり、聞かせてもらおうぜ。
ところで、隣にカラオケルーム、出来てるらしいぜ。みんな、行ってみるか?」

「行く、行くーー!!」

滋が大賛成すると、桜子と総二郎も、仕方ない、と言った様子で、

「あまり、歌は得意じゃないが…この場合、他に選択の余地は、無さそうだな。」

「見守るのも先輩と、道明寺さんのためですものね。」

と言うと、先に部屋を出たあきらと、滋に続いて、カラオケルームに向かったのだった。



(続く


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☆☆☆

2〜3日遅れると言っておきながら、早や一週間(T_T)すみません。
お詫びと言っては何ですが、気持ち、長めの回にしてみました。
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- 7 Comments

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2017/01/22 (Sun) 14:35 | EDIT | REPLY |   

チムチム  

※香 様

本当は、もっと総二郎君には、トークを爆発させてもらいたかったんですけど、話が進まないので、この辺にしてもらいました(笑)。
司クンのお初とは?ぜんっぜんわかりませーん(←ウソつけ。笑)
Xデーが怖すぎます(泣)

2017/01/22 (Sun) 23:43 | EDIT | REPLY |   

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2017/01/23 (Mon) 09:09 | EDIT | REPLY |   

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2017/01/29 (Sun) 20:45 | EDIT | REPLY |   

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2017/01/29 (Sun) 20:48 | EDIT | REPLY |   

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2017/01/30 (Mon) 21:18 | EDIT | REPLY |   

チムチム  

※香 様

いろいろ、ありがとうございます!!有り難いです。

2017/01/31 (Tue) 12:38 | EDIT | REPLY |   

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