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今日のつくしちゃんウォッチ 12



つくしがその日、加藤からの誘いに乗ってしまったのは、一人でいたくないという、ただそれだけの理由だった。

その日のつくしは、朝から明らかにおかしかった。
朝からプリントを落としては「あっ、しまった!」とか、
生徒から話しかけられているのに上の空で、「のぞみちゃん、ごめん!もう一度言ってくれない?」などと言ったり。
しまいには生徒から、「先生今日は、具合でも悪いの?」
と、心配される始末。

「はぁぁぁーっ」

昼休みに、重いため息をついていた。

今日は、金曜日。
世間は週末を前に、少しだけ浮き足立っている。

つくしは、ずっと気になっていた。

・・・断ったのは、自分なのに。
自分なりに、区切りをつけたはずなのに。

なのにどうしても、気がつくと考えてしまう、自分がいた。

「今日は、同窓会の日かぁ。みんな、参加するんだろうな。」

桜子と滋からは、この3日というもの交互に、連絡があった。

滋など最後には半泣きで、「つくしが行かないなら、私も行かなーい!」

と、泣き落としされた。

「わ、わかったわ。考えてみるから。ね?だから泣かないで。」

そう言って宥めて、「絶対、考えてね!つくしが来なかったら、私も即、帰るから。」

涙ながらに言う滋と「考えてみる」との約束をしてやっと、電話は切れた。


学校が終わり、少し残業をこなし、帰る準備をして学校を出た。
電車通勤のつくしは、最寄り駅に向かうため、校門を出て歩いていた。
何となく家に帰る気が起きなかったが、一人でお酒を飲む、という性分でもない。
とぼとぼと、駅に向かって歩く道路沿いに、一台の車が止まっていたが、特に気にすることもなく、通り過ぎようとした。

プッ。

軽いクラクションの音が聞こえ、車のウィンドウが開いた。

「牧野さん。お疲れ様です。今終わりですか?」

声をかけてきたのは、加藤だった。
車で気づいても良さそうなものだったが、下を向いていたため、全く気がつかなかった。

「あら?加藤先生。こんな所で何をなさっているんですか?」

もちろん加藤は、つくしを待っていたのだが、そんなことは、彼女は夢にも思っていない。

「いえ、たまたまこの近くを通り過ぎようとしたら、あなたが見えたので、ちょっと止まったんですよ。」

加藤の方も、見え透いてるよなと、内心苦笑しながら、そう答えた。

「そうだったんですね。ではお疲れ様でした。」

頭を下げて、通り過ぎようとしたつくしを、加藤が慌てて引き留めた。

「ち、ちょっと待って下さい。いやぁ、こんな所で会うなんて、偶然ですよね。所で牧野さん、今日はこの後、予定はあるんですか?」

「予定?」

聞かれたとたん、つくしはまた、みんなの顔と、あのクルクルパーマの面影を思い出してしまい、意気消沈した。

「別に・・・。ないです・・・。」

その日のつくしは、絶対に、おかしかった。
普段の彼女なら、そんな誘いに乗ったりは、しなかっただろう。
でもこの日は、どうしても一人で家にまっすぐ、帰るのが嫌だった。

ぱっと顔を綻ばせた加藤が言った。

「そうなんですね。実は僕も今日、暇だったんです。良かったらこれから、食事をご一緒しませんか?前にも言いましたけど、僕はアルコールが苦手なので、お酒は飲みませんけど。どうですか?」

「そうですね・・・。アルコール無しで、食事だけなら。」

「ありがとうございます!一人で外食するのも、味気ないですからね。近くのレストランまで行きましょうか?どうぞ、乗って下さい。」

しばらく迷っていたつくしだったが、とうとう車に乗ってしまった。

車は方向指示器を出すと、エンジン音を立てて、出発した。


車が去った後。

「ふうん。何か大変なとこ、見ちゃったな。」

排気ガスの匂いがかすかに残る路上で呟く、長身の男の姿があった。
暗闇ではっきりとは見えないが、栗色のサラサラの髪と、色素の薄い瞳。
こんな場所でなかったら、振り返る人は、1人や2人ではないだろう。

男は髪を軽くかき上げると、ベージュのコートを翻し、後方に止めてあった白い車に、乗り込んだ。

「今の車、追ってくれる?」

さて、探偵ごっこといきましょうか。

男ーーー花沢 類は、気だるげに運転手に、そう告げた。

夜はまだ、始まったばかりだ。


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☆☆☆


毎度遅くなり、申し訳ありません。
火曜サスペンス劇場「イケメン探偵類~男と消えたつくしを追え~」をお送りします。

あれ、違う?
短めですみません。続きは週末に。

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- 13 Comments

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2017/01/31 (Tue) 19:20 | EDIT | REPLY |   

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2017/02/01 (Wed) 03:12 | EDIT | REPLY |   

みるく  

待ってました〜*\(^o^)/*
更新嬉しいです。

2017/02/02 (Thu) 00:32 | EDIT | REPLY |   

チムチム  

※香 様

コメント、ありがとうございます(^。^)
類つくに、見えました?
類くんも、嫌いではもちろんないですけどね(笑)
イケメン探偵、やってみたいです(笑)
※香 様も、司くんの出ないつかつく、楽しみにしています(*^_^*)
大人なつくしちゃん、いいですねー。

2017/02/02 (Thu) 07:36 | EDIT | REPLY |   

チムチム  

※ach※ 様

こんにちは(*^_^*)
お久しぶりです!!
ご無沙汰してしまって、すみません。
コメントありがとうございますm(_ _)m
つくしちゃん、悪い女になってしまってますよね。
でも本人は、全くそんな自覚はない…。余計に、悪いですよね。
すっごく落ち込んだ時に、たまたま声をかけられると、ついフラッと誘いに乗ってしまう…。そんな心境って、あるんじゃないかと思いまして。こちらのつくしちゃん、あまり毅然としてないですね(笑)

そうそう、司くんのバースデー。
お祝いどころか、話に出ても来ない(泣)
一応、構想は考えてみたんですけど、お話には出来ずじまいに終わってしまいました。タマさんが出てくるほんわかストーリー。いつの日にか、また。
代わりと言ってはナンですが、バレンタインデーに、ある方にお話献上しましたので、良かったら、見て下さい。
近くなったら、正式にお知らせします(*^_^*)。

2017/02/02 (Thu) 07:41 | EDIT | REPLY |   

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2017/02/02 (Thu) 07:43 | EDIT | REPLY |   

チムチム  

みるく 様

待っていてもらって、本当、嬉しいです。ありがとうございます(*^_^*)
亀のペースで、頑張ります(汗)

2017/02/02 (Thu) 07:43 | EDIT | REPLY |   

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2017/02/02 (Thu) 07:47 | EDIT | REPLY |   

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2017/02/02 (Thu) 07:52 | EDIT | REPLY |   

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2017/02/04 (Sat) 19:33 | EDIT | REPLY |   

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2017/02/04 (Sat) 21:09 | EDIT | REPLY |   

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2017/02/04 (Sat) 21:13 | EDIT | REPLY |   

チムチム  

Re: ※香 様

はははは、たっくさんのコメント、ありがとうございました。
まとめての返信で、すみません。
読めて楽しいです♪
さすが、お寺とか、歴史とは切っても切れない(?)だけあって、※香様、詳しいですね!
私は、全然歴史には詳しくなくて…○○姫って誰?みたいな状態です。情けないな(T_T)
何はともあれ、コメント欄を賑わせて頂き、ありがとうございました♪
お話、頑張って書いて下さいね!(←オマエが言うか?)笑。

2017/02/04 (Sat) 23:06 | EDIT | REPLY |   

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