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今日のつくしちゃんウォッチ 13




「ふはふは…美味しーい!!」

ジュウジュウといい音を立てて豚肉の焼ける匂いがし、熱々を頬張ると、自然とつくしは笑顔になっていた。

昼間は学生達、夜は会社帰りのサラリーマンで賑わう、学校と駅の中間あたりにある、お好み焼き店。

「ここのお好み焼き、最高ですよね!」

言いながら、またひと切れヘラで切り分けると、ふーふーと5回吹いてから、大きな口を開けて頬張り、両手を頰に当てて「うーん、おいひい!」と感想を述べた。

その様子は、とても大人の女性がする仕草には見えなかったが、不思議とつくしには似合っていた。

「良かったら、僕のもどうぞ。」

つくしの食べっぷりを見ていた加藤は、自分のお好み焼きをキレイに焼き上げると、つくしの方へヘラで寄せた。

「良かった。先ほど声をかけた時、何だか元気が無かったので、気になっていたんですよ。さっ、どんどん食べて下さい。」

加藤の顔もほころんでいる。

つくしを気づかう加藤を見ながら、表面上、明るく振る舞ってはいるつくしだったが、内心では、ずっともやもやしていた。
加藤の、つくしに対する態度はどこまでも優しく、紳士的だった。

こんな人とお付き合いできたらきっと、幸せになれるんだろうな…。
幸せな家庭、かぁ。

つくしは、ぼんやり考えていた。

☆☆

『おはよう、アナタ。昨日は遅くまでお仕事だったわね。もっとゆっくりと寝ていていいのよ?』

旦那様はつくしのおでこに優しくキスして言った。

『隣りにオマエがいないと、寒くて寝られねぇんだ。だから一緒にベッドへ戻ろう。』

『もう…しょうがないな。わかったから。でも、あなたの為に朝食作ったの。熱々のエッグベネディクトよ。せっかくだから、食べてくれない?』

『ああ、分かった、食うよ。その前にお前を食ってからな。』

『えっ!そんな事したら、食事が冷めちゃうよ』

『大丈夫だ。オマエの料理は冷めても美味いからな。』

『あっ、ンンッ』

キスを受けると、クセのある黒髪がふわっと、つくしの頰に触れた。

『愛してる…』

☆☆

「…さん。牧野さん?」

ハッとして顔を上げると、心配そうに覗き込む、加藤の顔が目の前にあった。

あ、あたしったら、何、想像してたの!
最近、アイツの事を、気がつくと考えてしまう自分がいた。
ちょっと前までは、殆ど思い出しもしなかったのに、今日はどうした事か、どうしてもアイツの顔が、脳裏から消えてくれなかった。

「あっ、すみません!お腹一杯になったら、ボーッとしてしまいました。」

「いえ、いいですよ。…そろそろ出ましょうか?」

「ハイ、そうですね。すみません。」

会計を済ませて、店を出た。


「何だか、すみません、またご馳走になってしまって。」

会計で、押し問答をしたのだが、加藤はどうしても自分が払うと言い、つくしの財布を出させなかった。
店員も慣れているようで、サッサと2人分の会計を、加藤から受け取ってしまった。

店の裏手に停めてある、加藤の車の後ろで、2人は話していた。

「いえ、いいんですよ。いきなりお誘いしたし…女性に出させるなんて恥ずかしい事、する勇気は僕にはありませんから。」

「本当に、ご馳走様でした。お陰で、少し気分が晴れました。私、今日はこれで帰ります。今日のお礼は、何かしますね。では、お疲れ様でした。」

背を向けようとしたつくしだったが、不意に、引き寄せられた。

「か、かか加藤先生?!」

いきなり引っ張られてバランスを崩したつくしを、加藤が受け止めた。
そのまま、強い力で抱きしめられた。

「や、やめて下さい!!」

つくしは、腕を突っ張ろうとしたが、加藤の力が想像以上に強く、引き離せない。

「牧野さん…」

気がつけば、加藤の顔は、息がかかるほどの距離にあった。

キ、キスされる!

先ほど、想像の中で見た道明寺の面影が、頭をよぎった。
つくしは、思わず加藤をドン!と突き飛ばした。

加藤は、軽くよろめいて離れたが、大したダメージは受けなかったようだ。

「牧野さん…僕の事、嫌いですか?」

悲しそうに下を向きながら、加藤はつくしに、問いかけた。

ガラガラ、ガシャーン!!

その時、背後から派手な音が聞こえた。

「!!」

驚いた2人が、音のした方を見ると、「イテテテ…」と呟く、ベージュの塊があった。

「大丈夫ですか?」

加藤は、急に職業意識を思い出したのか、近寄って礼儀正しく尋ねている。

ベージュの塊は、店の裏のゴミ箱を、ひっくり返してしまったらしい。

「うん、大丈夫。ありがとう。」

そう答えると、コートに付着したティッシュのクズと、キャベツの切れ端を、優雅に払い落とした。

そして立ち上がり、とび色の瞳をきらめかせ、真っ直ぐにつくしを見て、言った。


「牧野、久しぶり。ーーー君を迎えに来たよ。」



(続く


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☆☆☆

私生活多忙のため、水曜日更新間に合いませんでした。すみません。
二人の再会も近いです。
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- 5 Comments

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2017/02/10 (Fri) 04:45 | EDIT | REPLY |   

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2017/02/10 (Fri) 09:21 | EDIT | REPLY |   

チムチム  

※香 様

確かにあきら君は、相談すると頼りになりそうですよね〜。
あきら「牧野、何を悩んでいるんだ?」
つくし「うん、やりたい事があるんだけど、他にもいろいろ…。」
あきら「そっか。なら俺の家に来いよ。母親が焼いたクッキー食いながらゆっくり話そうぜ。」
つくし「やった、行く行く!美作さんのお母様のお菓子、すっごく美味しいよね!妹ちゃんにも会いたいし。」
…別の話になりそうです(笑)

2017/02/12 (Sun) 14:19 | EDIT | REPLY |   

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2017/02/12 (Sun) 14:31 | EDIT | REPLY |   

チムチム  

Re: タイトルなし

あきら君BD…忘れてました…。あきら君、というかF4みんな好きですけどね。ハイ、浮気者です。書きたいけど、うーん(汗)

2017/02/13 (Mon) 11:31 | EDIT | REPLY |   

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