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チムチム

Author:チムチム
花より男子の二次妄想文です。
基本的には、司×つくしが好きです。
完全に趣味の範囲で、内容は、管理人の妄想です。
素人ですので、温かい眼差しで読んで下されば、嬉しいです。
もし、趣味に合わない方がいらっしゃいましたら、ページをお閉じ下さいm(_ _)m
楽しいページを目指しています。ハッピーエンドが目標です。
無断でコピー、その他の、迷惑行為だけは、ご遠慮願います。
それでは、よろしくお願い致します。

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ゆめうつつ
司とつくしの小夜曲 ー アンテナ&ウォッチ完結編 後編 part2 ー
(後編 part2)


楓に胡散臭そうに見られ、つくしは居たたまれず、出来れば今すぐ回れ右して帰りたかった。
しかし、ガッチリと肩に置かれた手と、射すくめるように見る楓の視線を受け、体が硬直したように、動かなかった。

「牧野さん。あなたに再会した事は、私にとって嬉しい出来事とは言えません。久しぶりに帰宅して見たら、家の中にネズミが走っているのを見た時のような気持ち、と言ったらわかってもらえるかしら?」

鉄の女と呼ばれる楓の言葉は相変わらず容赦なく、つくしはますます肩身が狭くなって、居心地の悪さに体をモゾモゾ動かした。

「牧野はネズミじゃない。テメェがどう思っているのか知らないが、オレの気持ちは高校の時から変わってねぇ。オレが好きになって、女と思えるのは、恐らくこの先も、ここにいる牧野だけだ。オレから牧野を引き離すつもりなら、こちらにも考えがある。アンタの言いなりになるしかなかった学生時代と、同じだと思うなよ。」

司は敵がい心むき出しで、楓を睨みつけた。
そんな司を、感情のこもらない目で一瞥すると、楓は「場所を変えましょう。」とだけ言って、サッと背を向けて廊下を歩き出した。司とつくしも、話が必要なのはわかったので、黙って後に続いた。

楓が入ったのは、簡易応接室のような部屋だった。
簡素だが上質な革張りのソファと、同じく簡素で上質な、マホガニーのローテーブル。
床のペルシャ織の絨毯は、まだ誰も踏んだことが無いかのように、フカフカだった。
上質で、格調高く、だが…冷たい。
つくしは部屋に入った途端、寒くもないのにブルッと身震いした。
こんな邸で暮らす道明寺が、何だか可哀想になった。

この邸には、人の温もりが少ない。
狭いがぬくぬくとした家庭で育ったつくしにとって、道明寺邸はいつもよそよそしく、自分の体温まで吸い取られるような気がした。

「そこへお掛けなさい。」

楓は、ソファへと二人を促した。
計ったようなタイミングで、邸のメイドがお茶を運んで来た。

タマさん元気かな…。

メイドの姿を見て、つくしは昔、世話になったタマの姿を思い出したが、あれから随分たつ。もう、とっくに引退していても不思議はなかった。
何とはなしに、下がって行くメイドの姿を目で追っていたが、今はタマの消息を聞けるような状況ではなかった。

「さて。それでは司さん。牧野さんを交えてお話しましょう。率直に聞きます。司さん、さっき伺った、牧野さんについてのあなたの気持ちは、本気なのですか?」

「ああ。これが本気じゃねぇっつうなら、本気なんてクソ食らえだな。」

「…そうですか。ひとつ言っておきますが、司さん。あなたはまだ若いのです。何も牧野さんに拘らなくてもよろしいのではなくて?これから、もっと条件の良いお嬢さんを、いくらでも紹介します。あなたの好みの、黒髪が美しくて、優しいお嬢さんをきっと探すと約束しましょう。牧野さんの方も、道明寺に縛り付けるのは酷というものです。本当に牧野さんのためを思うのなら、自由にして差し上げるのが、筋というものではなくて?」

「ふ、そうだよな。ババァもたまには、いい事言うじゃねぇか。牧野を自由にするのが筋…。確かにそうだよな。オレも出来れば、そうしてやりたい。だがな…ダメなんだよ。」

司は楓に向かってと言うより、自分自身に向かって語りかけているようだった。

「オレが牧野を忘れようと、努力しなかったと思うか?何度も忘れようとした。だが、ダメなんだ。忘れようとすればするほど、気がつけば牧野をどこかに探している自分がいる。夢の中で明るく微笑むコイツがいて、ハッと目を覚ますといつも一人きりで、気が狂いそうになる。しまいには昼間にまで幻を見るようになって、もう限界だと思った。オレは、コイツなしでは生きて行けない。他に代わりなんていないんだよ。姿形がいくら似ていたところで、いくら素晴らしい素養を持っているお嬢だとしたって、牧野にはなれない。この、平凡で気が強くて真っ直ぐな小さい女だけが、オレを癒してくれるんだ。女々しいと言いたいなら、言うがいいさ。道明寺司は、本当はこんな情けない男なんだよ。」

司は、片手で自分の癖の強い巻き毛をグシャッとかき回し、肘を太腿について、目を閉じた。
その顔には、苦悩がにじんでいた。

楓はそんな司の独白に近い言葉を、冷淡にも見える無表情で黙って聞いていたが、やがて今度はつくしの方を見た。

「牧野さん。司はこのように申していますが、あなたの方はどういうおつもりなのかしら?司と結婚出来れば、道明寺の財産はあなたの物になります。どう、嬉しいかしら?」

「待て、ババァ。それは違う!牧野にはウチの財産なんて、全く関係のない話だ!!」

「おだまりなさい。司さん、あなたに聞いている訳ではありません。私は牧野さんに質問しているのです。」

司はギリッと奥歯を噛んで、まだ楓に詰め寄りそうな様子だったが、つくしがそれを手で制した。

「道明寺のお母様。楓社長とお呼びしてよろしいでしょうか?ご挨拶が遅れましたが、お久しぶりです。あた…私は今は、小学校で教師をしています。この春からは、留学を考えています。道明寺家の財産のお話ですが、気にならないと言ったらウソになります。…と言っても、嬉しいという意味ではありません。私にとっては財産なんて、邪魔なだけの存在…。例え道明…司さんと結婚する事があったとしても、道明寺家の財産に触れるつもりはありません。」

楓はつくしの答えを、無表情に聞いていた。
つくしは、今まで楓をじっくりと眺めた事は無かった。
しかし今、改めて見てみると、後ろにまとめられた髪の生え際が少しほつれ、陽にすかされている。
相変わらず厳しい表情だが、少し…疲れて見えた。

「そうですか。しかしそれでは困ります。もし道明寺に入ったら、あなたには、道明寺家の妻として、道明寺家の財産を適正に管理する義務があります。」

司の表情がパッと輝いた。

「牧野との結婚を許してくれるのか!?」

楓はため息をついた。

「私もNYでの生活が長くなり、考え方も少し変わりました。元々道明寺家にしたところで、祖父の代に今の土台が築かれたのです。それを生かすも殺すも、あなた達次第。お好きなようにやってみたら良いのです。ただし、牧野さんには一通りのプログラムを、これからNYでこなしてもらいます。その中にはもちろん、語学のプログラムも入っています。」

「やリィ!!」

司はつくしをギュッと抱きしめ、喜んだ。

その時、部屋の外から、ガヤガヤと賑やかな物音が聞こえて来た。


(続く


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☆☆☆

すみません、現実に追われていました。遅くなりました。
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[2017/05/01 13:06] | # [ 編集 ]


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