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哀切の道明寺② 高層ビルの夜景 イラスト付き短編


〈哀切の道明寺② 高層ビルの夜景〉





画像提供:すてら様
禁 無断転載




超高層ビルから大都会を一人、見下ろす司。
その横顔は端正に整い、もしもその側に寄り添う女性でもいたのなら、きっと見惚れて言葉を失った事だろう。

しかし今、彼の思考は孤独にたゆたい、息を飲む程の、眼下に広がる百万ドルの夜景さえも、彼の寂寥を癒してはくれなかった。

ーークッ。酔えねぇな。

そう、独りごちた司は、飲みさしのワイングラスをコトリと置くと、人間が作り出した虚構の美しさ…腐臭を放つゴミや、汚染された汚らしい水、ボロを纏って放浪する浮浪者…そんなモノなど、まるで存在しないかの様に全てを覆い隠して光り輝く世界に、奇妙な親近感を覚えながら、気がつけば独り、狂ったように笑い転げていた。

「クククク…あはははは!」

ーなんだ。俺と同じじゃねぇか。
輝かしい虚飾も。
うちに含んだどす黒い汚泥も。

彼の、どこか狂気を孕んでいさえするような乾いた笑い声も、防音設備の行き届いた最上階のオフィスの壁に吸収されて、消えた。

そう、彼は道明寺司。

日本の、いや世界の経済の一翼を担う、道明寺HDの若き指導者。
人々は彼との面会を求め、アポを取ろうと、我先にと列をなす。
しかし、彼が本当に心の底から会いたいと待ち望む人物は、いつまで経っても現れなかった。

そろそろ、迎えに行ってやってもいい頃か。


地の果てまでも。

たった一人のちっぽけな、だが彼にとっては全世界と引き換えにしても惜しくない、あの純朴な彼女の下へ。

眼下に広がる夜景は相変わらず虚構に満ちていたが、その中に彼女がいるかも知れないと思うと、ほんの少し、温もりを帯びて見えた。

彼はもう一度だけ、夜景に目をやると、残りの書類を片付けるため、再びデスクに向かって書類に取りかかりはじめた。



(哀切の道明寺② 高層ビルの夜景 完)




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☆☆☆

イラストから浮かんだイメージを書き留めただけのため、設定無視の短編としてお読み下さいm(_ _)m
哀切の道明寺①は、司とつくしの小夜曲 番外編に掲載しております。
司くんの横顔に惚れてしまいます。







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- 2 Comments

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2017/10/15 (Sun) 01:49 | EDIT | REPLY |   

チムチム  

※ach※ 様

お返事大変遅くなりましたm(_ _)m
こちらも、イラストに合ったお話が描きたくて、ふと浮かんだ短編です。
孤独な司です。
でも、かすかに希望はあります。
やっぱり、司は孤独が似合う男だと、私はそう思います。
最近寒いので、※ach※さまも、体調崩さないように、お気をつけ下さいm(_ _)m
それでは、また(^_^)

2017/10/23 (Mon) 06:28 | EDIT | REPLY |   

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